動画マニュアルの特徴

動画マニュアルは、複雑な情報や手順、テキストや資料のみだと分かりづらい作業を直感的に理解しやすくする強力なツールです。その視覚的・聴覚的な特性により、従来のテキストベースのマニュアルよりも見た人の習得速度が向上するだけでなく、記憶にも残りやすくなります。

大手企業も続々と顧客・社内向けの動画マニュアルを導入しています。

  • IKEAの組み立て動画マニュアルは、顧客が家具を正しく、迅速に組み立てられるよう支援しています。
  • Dropboxは、サービスの基本的な使い方を説明する動画マニュアルを提供しており、新規ユーザーが迅速にプラットフォームに慣れることができます。

動画マニュアルの種類

動画マニュアルは、その用途や目的に応じて多様な種類が存在します。主要なものには、教育・トレーニング用、製品紹介用、操作手順説明用、安全教育用などがあります。具体例を見て行きましょう。

  • 教育・トレーニング用: 新入社員研修でのビジネスマナーやソフトウェアの使用方法説明。
  • 操作手順説明用: 家電製品やソフトウェアの具体的な操作方法を説明する動画。CanonやAdobeのサポートページが参考になる。
  • 安全教育用: 工場や建設現場での安全対策や避難経路説明に使用される動画。

動画マニュアルは、その視覚的な特性を活かして、複雑な情報を直感的に伝えることができるため、教育・トレーニング、操作手順説明、安全教育など、幅広い分野で活用されています。各種類の動画マニュアルは、特定の目的を持って設計され、視聴者に最適な学習体験を提供するために工夫されています。

動画マニュアルのメリット4点

①わかりやすく理解しやすい

動画マニュアルは、視覚と聴覚の両方に訴えかけるため、テキストや画像よりも情報を記憶しやすく、理解度が高くなります。アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」を参照すると、文字や静止画のみの情報よりも、動画と音声を使用した情報の方が10%も記憶にも定着しやすいという結果が出ています。特に、音に関しては文字で伝えるよりも実際の音で聞ける方が遥かに理解しやすく、装置の異音や駆動音など、生産工場や金属加工、メンテナンスにおいて特に適していると言えます。また、実演やアニメーションなどを活用することで、複雑な情報や手順もわかりやすく伝えることができます。

② 時間や場所を問わず視聴できる

動画マニュアルは、インターネット環境があれば、いつでもどこでも視聴できるため、学習の機会を大幅に拡大することができます。スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで視聴できるため、通勤時間や休憩時間など、スキマ時間に視聴することが可能です。また、自分のペースで学習を進めることができるため、理解度に合わせて繰り返し視聴することができます。

③コスト削減に繋がる

動画マニュアルは、紙のマニュアルや対面での指導に比べて、制作・運用コストを大幅に削減できる可能性が非常に高いです。

紙のマニュアルと異なり、印刷費用や手間がかかりません。対面での指導と異なり、1度撮影してしまえばそれ以降は講師の人件費がかかりません。また、字幕や音声翻訳によって、比較的簡単に多言語化することもできます。この点は多国籍の従業員が多い、生産工場などで大きなメリットと言えるでしょう。

④情報の更新が容易

動画マニュアルは、紙のマニュアルと比べて、内容の修正や更新が容易にできます。修正箇所だけを編集すれば、全体を更新する必要はありません。電子データのため更新履歴も簡単に管理でき、更新後すぐに社内・社外に共有することが可能です。

動画マニュアルの作り方

Step1 企画・構成を練る

動画マニュアルの作成において、企画・構成の段階は成功のための基盤を築く極めて重要なステップです。

動画の目的、ターゲットユーザー、内容を明確にすることで、視聴者にとってわかりやすく、効果的な動画マニュアルを作ることを意識しましょう。以下で企画構成のポイントを3つ紹介します。

企画・構成のポイント:

  1. 目的の明確化:
    • どのような情報を伝えたいのか?
    • 視聴者にどのような行動を促したいのか?
  2. ターゲットユーザーの明確化:
    • 誰に動画を見てもらいたいのか?
    • ターゲットユーザーの知識レベルや理解度
  3. 内容の整理:
    • 動画で伝えるべき内容を洗い出す
    • 内容を論理的に順序立てる

Step2 情報・資料の収集と整理

動画マニュアルの情報・資料収集と整理は、動画の内容を充実させ、視聴者にとってわかりやすく、役に立つマニュアルを作るために重要なステップです。必要な情報を漏れなく収集し、論理的に整理することで、効率的な制作と高品質な動画マニュアルの完成につながります。

情報収集にあたっては 信頼できる情報源から情報収集することで、動画の内容の信頼性を高めることができます。公的機関の最新情報やガイドライン、または社内の最新情報に沿って制作することで、制作後に手戻りが発生するロスを防ぐことができます。

私の知り合いでマニュアルの制作に失敗した方の話があるので、参考でご紹介します。(当人のプライバシー保護のため、脚色や架空の情報が混ざることをご了承ください。)

かつて、日本のある企業で「新入社員向けオリエンテーションマニュアル」の作成プロジェクトがありました。この企業は、伝統と革新を重んじる老舗で、数多くの成功を収めてきました。プロジェクトリーダーに任命されたのは、若くて意欲的な山田さんでした。

山田さんは、この任務に興奮していましたが、同時に多忙な日々を送っていました。そこで、彼は過去のマニュアルや聞きかじった情報、そして自分の経験だけを頼りにマニュアルを急いで作成しました。彼は、「これで十分だろう」と考え、完成したマニュアルを新入社員に配布しました。

しかし、マニュアルが配布された後、すぐに問題が浮上しました。マニュアルには、現在の業務フローや社内ルールが正確に反映されていない部分が多々ありました。例えば、営業部門の報告書のフォーマットが最新のものではなかったり、社内のセキュリティポリシーが更新された後の内容が含まれていなかったりしました。

これにより、新入社員たちは混乱し、誤った手順で業務を進めることが何度もありました。上司や先輩社員からは、マニュアルの不備について指摘が相次ぎ、山田さんは大きなプレッシャーと失望を感じることになりました。

結局、山田さんは、一から情報収集をやり直し、各部門の責任者や先輩社員に詳細なインタビューを行い、最新の情報を確実にマニュアルに反映させる作業に取り組みました。

とある日本企業で起きた出来事より

上記のような事態にならないためにも、情報が最新のものかどうか、確認したうえで動画マニュアルの制作に望みたいですね。以下で情報収集と整理における3つのポイントを紹介します。

  1. 情報源の選定:
    • 社内資料
    • 専門書籍
    • インターネット
    • 専門家へのインタビュー
  2. 情報の収集:
    • 目的に合致した情報
    • 最新の情報
    • 信頼できる情報
  3. 情報の整理:
    • 重要度
    • 順序
    • カテゴリー

Step3 台本を作成する

動画の内容を構成し、視聴者にわかりやすく伝えるための重要な要素です。台本をしっかりと作成することで、動画制作の効率化、品質向上、視聴者満足度の向上につながります。逆に、台本の無い状態で動画を撮影してしまうと、言い間違いが多い、順番が逆になるなど最悪撮り直しに繋がるケースもあります。構成と同じくらい重要なステップですので、必ず台本は作成するようにしましょう。

以下で台本作成のポイントを3つ紹介します。

台本の作成ポイント:

  1. 内容の構成:
    • 起承転結を意識する
    • 論理的な流れを構築する
  2. 表現方法:
    • ターゲットユーザーに合わせた言葉遣いをする
    • 簡潔でわかりやすい文章にする
    • 視覚効果を意識する
  3. ナレーション:
    • 声質、話す速度、抑揚などを考慮する
    • テロップと連動させる

Step4  動画を撮影・録音する

動画マニュアルの撮影・録音は、動画の質を大きく左右する重要なステップです。事前にしっかりと準備し、適切な機材と環境を整えることで、スムーズな撮影・録音と高品質な動画マニュアルの完成につながります。特に音は重要です。映像と比較して軽視されがちですが、情報伝達において38%が聴覚によって影響をあたえるという法則があるほどです。

以下で動画撮影・録音における3つのポイントを紹介します。

  1. 準備:
    • 撮影場所、時間、機材などを事前に準備する
    • 台本を準備し、内容を熟知する
  2. 撮影:
    • カメラの角度、照明、被写体などを調整する
    • テロップや字幕などを効果的に使用する
  3. 録音:
    • マイクの種類、音量、音声編集などを考慮する

Step5  撮影した動画を編集する

いよいよ最後は動画の編集です。視聴者にとってわかりやすく、見やすい動画に仕上げる重要なステップですので、適切な編集ソフトを使って、不要な部分をカットしたり、効果的なテロップや音楽を追加していきます。不要な部分をカットすることで、動画を短く、見やすくすること、テロップや字幕を追加することで、動画の内容をよりわかりやすく伝えることを意識しましょう。

以下で動画編集のポイントを3つ紹介します。

  1. 編集ソフト:
    • 機能、使いやすさ、価格などを考慮して、適切な編集ソフトを選ぶ
  2. カット編集:
    • 不要な部分をカットし、動画を短く、見やすくする
  3. テロップ・字幕:
    • わかりやすく、読みやすいテロップ・字幕を追加する

動画マニュアル作成の注意点

動画マニュアルの作成において、ターゲットや目的を明確にすることは最も重要なステップの1つです。内製化する場合、新入社員に任せることはせず企画立案ができるようなプロジェクトリーダーの経験がある中堅社員に任せるのが良いでしょう。また、例えば新入社員向けの動画マニュアルを作るのであれば専門用語を入れると分からなくなる場合があります。(生産工場で言うパレタイザー等)その場合は、用語を補足するテロップを入れるか、用語に関してはまとめたものを紙かPDFで渡すこともおすすめです。

 また、基本はスマートフォンでの視聴を前提とするべきですが、社内のセキュリティ事情によっては社外での閲覧ができないケースもあります。その場合は、社内のPC環境での閲覧を前提として企画していく方が好ましいです。

撮影場所の環境・カメラワークに配慮する

動画マニュアル作成において、撮影場所の環境・カメラワークに配慮することは、視聴者にとって見やすく、理解しやすい動画を作るために重要なステップです。環境音がうるさすぎる(工場の生産ラインや調理現場など)、カメラがブレブレで見ている人が酔いそう、といった動画は視聴者の集中力を削ぎ、動画の内容を正しくつたえることはできません。撮影場所全体が暗い場合は照明を焚く、音がうるさい環境で撮影しなければならない場合はピンマイクで音声を収録する等の配慮が必要です。

動画制作のスキルが必要

動画マニュアルの作成においては、編集ソフトを扱えることが必須条件です。動画編集ソフトの使い方や、音声編集などのスキルを習得することで、分かりやすい動画マニュアルを作ることができます。不要な部分のカットができていないと冗長な印象を与えてしまい、せっかく作った動画マニュアルが見られなかった、ということにもなりかねません。また、撮影したインサート映像(手元の映像や細かいメンテナンス部分など)も適切な位置に配置しなければちぐはぐとなり、逆に内容の理解を阻害してしまうことになるでしょう。

社内向けの動画マニュアルを制作する、ということであれば無料の動画編集ソフトでも十分です。しかし、消費者向け、顧客向けの動画マニュアルについては、有料の動画編集ソフトを使ってリッチに仕上げる方が好ましいです。なぜなら、そういった不特定多数の目に触れるものは競合他社も力を入れており、予算を充てて大手の動画制作会社に外注しているケースが多いからです。そういった動画が多くある中で、経験の浅い社内の担当者が無料で制作した動画マニュアルを公開しても、見てもらえる可能性は高くありません。社外向けの動画マニュアルを制作する場合は動画編集を主業務にする人員を配置するか、映像制作会社への外注をおすすめします。

動画マニュアルを外注する時のポイント

動画マニュアルを外注する時のポイントについて、3つご紹介します。

  1. 予算と納期を決める:
    • 予算を決めておくと制作会社との会話や見積もり取得がスムーズです。
    • 納期も金額に影響する重要なファクターです。短納期の場合、通常料金の1.5倍~の料金が割増になるケースが多いです。
  2. 一部の工程だけ依頼する
    • 予算が限られている場合は撮影だけ、編集だけなど一部の工程だけ依頼することで金額を抑えることができます。
    • 予算を決めた段階で、内製対応する部分と外注する部分を決めておくと良いでしょう。
    • 工程全体が影響する場合も多いので、自社で対応する工程が遅れる場合は連絡をするようにしましょう。
  3. 担当者を決めておく
    • 社内で、外注先との連絡窓口としての担当者を決めておくとその後のやりとりがスムーズになります。
    • 担当者一人だと判断できないケースもあるので、必ずリーダーや上長へ報告するステップは徹底すると手戻り防止につながります。

まとめ

動画マニュアルを作成することで、これまで伝わりづらかった部分も含め、社内・社外に分かりやすく伝えることができます。社内の動画マニュアルでは教育コストの削減や習熟スピードの向上、社外の動画マニュアルでは顧客満足度の向上やリピートにつなげることができる強力なツールです。

当組織でも動画マニュアルの制作を企画立案から撮影、編集まで一貫して行っております。一部の工程のみご依頼も可能で、ご予算に合わせた制作が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。お見積り・ご相談はもちろん無料です。

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